先日、ちょっと理由があって読んだ笹本祐一さんの『妖精作戦』4部作。

僕は、1984年に発表された『ニューロマンサー』を機に勃興した「サイバーパンク」の「パンク」という部分に、なぜか拒否反応を起こしてSFから離れました。
別にパンク自体嫌いなわけでもなく、ただなんとなく語感になじめなかったというだけなんですが。
しかも、後に『ニューロマンサー』読んだり『攻殻機動隊』観たりしたら、むしろ好きな世界だったというアホです。

とにかく、それで30年近くのあいだ、熱心な読者ではなくなってしまいました。
完全では無いですが、それまでに比べれば、あんまり読まなくなったんです。
といっても、それまでもファンダムにいるような濃い人たちに比べたらライトなファンでしたが。
それがさらに薄く。

ところが、まるでそれと入れ替わるように、本作が上梓されていたんですね。
たぶん発表当時にこれに出会っていたら、僕はSFから離れることはなかったと思います。

作品は、超能力と女の子と学園と当時の等身大な若者の描写と宇宙人と月面基地とメカとメタとパロディとハードSFとハチャメチャとシリーズの最後の切ない感じと、欲しいもの全部入りです。

全く何というか、30年前の自分に言ってやりたいですね。
「離れることはない、お前の読みたいSFは目の前にあるぞ〜」って(笑)
それでも、これを知らずに人生を終えることが無くて良かったです。