『理想刑』感想
先日(2016/8/13)のコミックマーケットにて、著者の兵頭浩佑さんからご恵贈いただいたSF小説『理想刑』
まず目に付くのは、いきなり内容の話でなくてすみませんが、その版面です。
最初は、行頭の一字下げをしないのかと思いましたが、各章の頭だけ一字下げになっています。
そして、やけに広い字間。
ふつうなら、これは読みづらいので字間詰めた方がと思うのですが、行頭の一字下げに法則性があるので、これも何かの意図があるのだとろうかと思いながら読み進めました。
先に言うと、意図やしかけは、あったとしても(たぶんあると思うのですが)僕にはわからなかったのですが。
物語は、とある研究所のコモン・ルームにいたG教授のもとに、青年が訪ねてきます。
彼は、G教授が世界に対してある罪を犯したと言い、それを償わなければならないと言います。
冒頭からしばらくは会話劇のように進んでいきますが、やがてG教授の受けるべき罰が示されます。
このあたりまでは、知らない言葉がたくさん出てきて、検索しながら読んでいました。
かといって、難しすぎてわからなかったりすることもなく、むしろ非常に読みやすい文章と構成で、どんどん読み進んでいきます。
やがて、G教授が慕う唯一といっていい存在であるE教授が登場します。ここから、全体の様相が少しだけスライドしたように、僕は感じました。
ていうか最後の方、それもこれもそうだったのかG教授(笑) みたいな部分もあったり。
静かなようでいて罰の描写ではスケール感もあり、なんといっても読み味がとても良い小説で、僕はとても好きです。
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